不眠日記

寝れない夜に書く日記

プログラミング教育について

僕が通っていた公立の中学校は、公営団地と児童相談所に挟まれた位置にあって、「団地の子」と「児相の子」がみんな入学してくる学校だった。一方で、僕の住んでいた地域は、そこそこ高い偏差値の高校と私大が立地する「ちょっと文化的な町」でもあったのだ。その影響からか、子供の教育に熱心なご家庭がかなり多い土地柄だった。すなわち、それなりにハイソサエティな地域の中にホットスポット的にローソサエティが生じたのが私の通っていた中学校であった。

そのような状況の中学校はどうなるか?当然授業は成り立たない。成り立っている授業は"不良"が体育館裏で遊んでいる授業だった。僕も授業中は寝てるかクラスメイトとおしゃべりしていた。授業でやっている内容は、特に数学などは塾で既に習った分野を復習するだけだったので、受ける意味がなかったのだ。

定期テストのランキングでハイスコアを出しているのは僕のように塾に通って馬車馬のごとく受験勉強をしている人間たちで、一方でロースコアの人間は目も当てられないような点数を叩き出していた。そのような人間たちも、流石に受験期になると神妙な顔で勉強をし始める(塾に通い出す者すらいた!)。とはいえたかだか3ヶ月塾に通ったぐらいでどうなるわけでもなく、近所で一番偏差値の低い高校ですら受からず、最終学歴中卒と相成った人々もいた。

 

教育現場にはこのようなのっぴきならない状況がある。この上さらに「プログラミングを全ての子供に教える」のは不可能だと思う。別にやってもいいけど、特に意味はないと思う。

「学びたい子供に対して学ぶ選択肢と環境を与える」というのが、プログラミング教育が目指す方向性だと思う。具体的には、「プログラミングクラブ」とかを小中学校に設置して、放課後は自由にコンピューターを触れるようにして、適当なプログラミング入門書を置いて置けば良い。近所のプログラマーがたまにメンターしてあげられればなお良い。これで十分で、かつこれが最高のプログラミング教育だと思う。

思うに、そもそもプログラミングは授業で教えることはできない。自分で書籍などを当たってコードを見よう見まねで書いて、試行錯誤して理解するものだ。そもそも一般に、授業で教えられることってあるのか?授業で教えられることというのは実はなくて、実態としては生徒の自習を促すペースメーカーというぐらいの意味合いしかないのではないだろうか。周囲のプログラマーを見回しても、概ねそのようなことを言っている。

こういうことを書くと、それはお前も周囲の人間もハイスペだからできることで、世の中一般の人間に独学自習を求めるのは無理だ、と思う人もいるかも知れない。僕はそれは事実だと思う。事実ではあるが、それは今に始まった事実ではない。「世の中一般の人間に教育を与える」という文脈であれば、プログラミングよりも先に教えることがある。

そもそも、「全ての子供に同じ教育を与えるべきだ」というドグマ自体がもう古い。子供の才能を見抜き、その子にあった適切な教育を与える。その「適切な教育」の一例としてプログラミング教育というのは存在しているべきである。